ほらほら、にーにー!とっても綺麗な夕焼けでしてよー!

「圭一さん、遅いですわ!それでは日が暮れてしまいますのよー!」
 夕飯の買い物からの帰り道。
先を歩く沙都子から容赦のない言葉が飛んでくる。
「お前なぁ…そういうことは荷物を少しくらい持ってからいいやがれッ!!」
 俺の両手にはいっぱいの買い物袋が二つ。
今日は興宮まで行かず、村の中で買い物だから、と侮って自転車で来なかったのが悪かった。
ずっしりと食い込む買い物袋の重みが手のひらに痛い。
「だから最初に私も持つと申し上げましたのに。
『俺が持つからいい』といったのは圭一さんでしてよー?」
「…ぐ」
 そういわれては言葉もない。
「…ば、馬鹿ッ、冗談だ!これぐらいの荷物なんでもないぜ」
 とてとてと荷物を受け取ろうと歩いてくる沙都子を制止して、再度気合を入れて歩き出す。
沙都子はしばらくは本当に大丈夫なのか気にしていたようだったが、すぐにまた上機嫌でに先を歩き出した。
「ほらほら、にーにー!とっても綺麗な夕焼けでしてよー!」
「……ッ!!!」
 一瞬、目を奪われた。
夕焼けにじゃない。振り返った沙都子の笑顔がかけがえのない宝のように思えて。
「…ぁ。…を、をーっほっほっほ!!
お、驚きまして?今の…にーにー、は圭一さんをからかっただけでございますわ!」
 俺が黙り込んだのを「にーにー」に面食らったせいだと勘違いした沙都子が慌てて言いつくろっている。夕日の照り返しでよくわからないが、その顔はきっと真っ赤に違いない。
 かくいう俺の顔もきっと赤いに違いないのだが、今は夕日と沙都子の勘違いに感謝することにする。
「んー?本当かー?そろそろ『にーにー』が恋しいんじゃないのかぁ?」
「ち、違いますわよ違いますわよ!!!私はそんなに子供ではございませんことよ!!」
 むきになる沙都子と軽口を言い合いながら再び帰路に着く。
さっきの笑顔が一瞬しか見られなかったのは残念ではあるが、こんなのもやっぱり悪くない。
今はただ素直に、この宝物の隣を歩けることを感謝しよう。

―――そんな風に、思った。





えー。無闇に長くてまとまりのないテキストでごめんなさい。
でも妄想は止まりません(をいw)
無理に一票をとはいいません…ただ、沙都子に愛を。
それだけが、私の望みです。

……でも沙都子はきっと最後に素晴らしいトラップを見せて1位になってくれると信じていますけどね!w